作品詳細
第12回富士山百景写真コンテスト
- グランプリ
- タイトル: 共生の川辺
- エリア: 沖田大通り
- 撮影者: 宮崎泰一さん
- 評:
- 別名を『死人花』とも呼ばれる彼岸花が、闇の中の川辺に毒々しく咲いていて、まるで三途の川を隔てた黄泉の国から現世を覗き見たような光景となっています。さらに、天空に横たわる水管橋は、天界と俗界を無理やり結びつけようとする人間の浅ましさを表しているようでもあります。俗界の象徴ともいえる工場群と信仰の山である富士山で、いわゆる聖と俗の対比を狙った写真はよくあるのですが、彼岸花を手前に大きく取り入れたことで、この岸辺のどこかに奪衣婆(だつえば)が潜んでいるのではないかとも思わせるイメージの飛躍が素晴らしく、得体の知れない妖しげな気配が濃厚に漂っています。